神田きくかわ

神田きくかわのうなぎ

昭和22年創業の老舗の江戸前うなぎ屋です。
    活きのよいまま直送されるうなぎを、少しでも早く休ませたいと、東名高速・用賀インターに近く、地下水のある上野毛にもお店を構えました。運ばれてきたうなぎはこの上野毛店の「立て場」で1〜3日、地下水を浴びて休みます。そうすると泥を吐いて身が引き締まるのです。
    その日に使う分だけのうなぎを各店舗に運び、その日の午前と午後に各店舗で割かれます。
    新鮮なうなぎとはこういう味わいなのだということをご賞味いただけると思います。
    関西では腹から割きますが、江戸前は「切腹」という言葉を嫌って背中から割きます。関西風は蒸さずに焼くのでパリっとしていますが、江戸前は、まず白焼きをして、そこから一旦蒸して、そしてタレを付けてまた焼きますから、淡白で柔らかいのが特徴です。箸を入れるとすっと切れます。
    「勝手言って申し訳ないけど、江戸前のうなぎ料理は時間がかかる。せかされると、はんぱな仕事になるんでね。でもかならずいい仕事をするから、まかせなよ。」(先代)
    神田きくかわのうなぎは、注文を受けてから蒸し、その後、タレを付けて炭火でじっくり焼き上げますが、このとき竹串ではなく江戸前では珍しくピアノ線を束ねた特注品の金串で焼きます。熱伝導にすぐれ、内側からもじっくり熱せられるので、ふっくらと仕上がるのです。
    タレには、砂糖やみりんではなく、レンゲの蜂蜜を使っています。このほうが甘さに丸みがあり、くどさがありません。粒の立ったかためのご飯との相性もよいです。秘伝のタレではありません。おいしいものは、みんなに伝えたほうがよいと思っておりますから。
    お重を、ご飯が見えないくらいにうなぎで覆う手法は、創業以来六十余年にわたって守ってきました。今日は、思いっきりうなぎを食べたなあと思っていただきたいので。ただ、見た目は豪快ですが、食すると、いい意味で裏切られる上品な味わいです。味わい深いのにさっぱりしていますから、お子様もご高齢の方も、大きな蒲焼をペロリと平らげてしまいます。
    各テーブルにタレを置いておきますから、タレが多めがよい方は、お好みに合わせてどうぞ。
    ところで、うなぎ好きには、どういうわけか美人が多いんですよね。
    従業員一同、心より御待ちしております。
    是非一度、神田きくかわのうなぎをご賞味ください。
    うなぎは、食べたくなったときが、食べごろ。

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